請求書・見積書の実務ガイド

領収書を出した取引、請求書はどう管理する?「入金済み」と混ぜない整理の基本

2026年9月19日 請求書管理DIM編集部

請求書、入金記録、領収書の控えを同じ取引として結び付けつつ、回収状況と領収書の発行状況を別々に記録する整理方法を紹介します。

振込を確認して領収書をメールで発行した後、その請求書を「完了」フォルダへ移したものの、一覧では何を完了とすればよいのか迷うことはありませんか。現金で受け取ってその場で領収書を渡す取引も加わると、未回収の請求書がどれなのか見えにくくなります。

請求書と領収書は、同じ取引でも示していることが違う

請求書は、主に代金を請求するための書類です。一方、領収書は、主に代金を受け取った事実を示す書類です。請求書を送っても入金されたとは限らず、入金後に領収書を発行しても、請求書や入金を確認した記録が不要になるわけではありません。

取引の経過を後からたどるには、請求額、実際の入金額、発行した書類を、それぞれ確認できる状態にしておくことが大切です。領収書があるから請求書を消す、請求書一覧から外す、という整理では、請求した内容と受け取った内容のつながりが途中で切れてしまいます。

回収状況と領収書の発行状況は、別の欄で持つ

管理一覧の状態は、代金を回収できたかを中心にします。たとえば「請求前」「請求済み」「入金済み」です。ここに「領収書発行済み」を並べると、入金済みなのに未発行なのか、そもそも未入金なのかが一目で判別しにくくなります。

領収書を発行したかどうかは、回収状況ではなく補助的な記録として分けます。取引ごとに、少なくとも次の項目を並べると整理しやすくなります。

取引先/対象内容/請求日/請求額/入金確認日/入金額/領収書発行の有無・発行日/関連ファイルの保存先。領収書番号や発行方法も必要に応じて加えます。こうすると、「入金済みだが領収書対応が未記録」の取引だけを確認できます。

ファイルを同じフォルダに入れるだけでは、状態は分からない

請求書、通帳や決済サービスの明細、領収書の控えを一つの取引フォルダにまとめる方法は便利です。ただし、そこに書類がそろっていることと、取引の状態が分かることは別です。ファイル名だけで「済」「発行済み」と表す運用は、更新し忘れたときに実態とずれやすくなります。

請求書は請求書、領収書控えは領収書、通帳明細や決済明細は入金根拠として区分し、共通の取引番号や命名規則で結び付ける方法があります。たとえば同じ取引番号をファイル名と管理一覧の両方に入れれば、後から探すときも判断しやすくなります。

現金・振込・カード決済では、確認する出来事が異なる

店頭販売やイベントで現金を受け取り、その場で領収書を渡す場合は、請求前のまま入金済みになることがあります。振込では、請求書の送付、入金確認、領収書発行が別の日になることがあります。カード決済や決済サービスでは、顧客が決済した日と自社が代金を受け取る時点がずれる場合もあります。

そのため、どの決済方法でも「請求書を出したか」「入金を何で確認したか」「領収書を発行したか」を分けて記録します。領収書の日付や受領の趣旨、相手先から求められる様式は、取引形態や決済明細を確認して扱う必要があります。

まとめ入金や一部入金は、完了にしない

複数の請求書をまとめて振り込まれたとき、一部だけ入金されたとき、値引き・返金・相殺があるときは、請求額と受領額と残額を分けて残します。入金明細があるだけで、どの請求書が完了したかを決めないことが重要です。明細と請求書を対応付け、差額の理由を一覧に短く記録しておくと、月末の確認で迷いにくくなります。

月末に見るのは、書類の枚数ではなく取引のつながり

月末など確認日を決め、「請求済みのまま入金根拠がないもの」「入金済みなのに領収書対応が未記録のもの」「領収書はあるが元の取引を特定できないもの」を見直します。表計算ソフトでも、状態欄と領収書発行欄を分け、更新した人と確認日を決めれば十分に運用できます。

保存方法や保存期間、電子で交付・受領した書類の取扱い、適格請求書として必要となる記載は、書類の内容や事業者の状況で変わります。名称だけで判断せず、必要に応じて最新の公的案内や専門家に確認してください。